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Imagine Your Unlimited Potential
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表題の書は坂篤郎氏
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これまでの経営戦略プログラムは、成果主義による外発的動機付け理論に基づく:
これまでの経営戦略プログラムは、ほとんどが、経営者が立てた目標を、報酬とノルマの設定により効率的に実現するためのプログラムでした。これは、従来の経営学の主流が外発的な動機づけを重んじていたためです。このような経営戦略は、ほとんどの業務が定型的なものであった時代には、効率的に働いていました。しかし近年、ほとんどの企業で、中核的な業務は、新しい自由な発想による企業戦略の変革を伴う非定形的な業務となりました。このため、企業は創造性を最大化する企業経営に変化せざるを得なくなりました。

一方、心理学の分野では、1990年台から「内発的動機付け」理論が発展を遂げ、創造的な企業にとっては、外発的な動機づけは却って創造性を阻害し、「内発的動機付け」を最大化する経営が、創造性の発展を飛躍的に高めることがあきらかになってきました。

しかし、これまで、このような創造性を生み出すための体系的な経営プログラムはこれまで有りませんでした。


文京区駒込・六義園, 10月 (Photo by M.Kusakabe)
内発的モーティベーションを高める「自律性」:

文京区駒込・六義園, 10月 (Photo by M.Kusakabe)
内発的モーティベーションを高めるための第1の条件は、仕事の仕方において本人の自律性(Autonomy)を高めることが、多くの先進的な企業での試みから、非常に有効であることが分かってきました。これまで、全てノルマにより与えられてきた仕事を、一部分でも、自分が、最も行いたいと思っている仕事に、また、一緒に仕事をしたいと思うパートナーと組んで出来る仕組みを導入した企業が、大きな発展を遂げていることが明らかになってきています。

コーネル大学の研究者が320の中小企業を調査したところ、その半数は従業員に自律を認め、残りの半数はトップダウンの指示に従っていたところ、前者は、管理志向の強い後者に比べ平均4倍の成長率を示し、離職者は三分の一だったと報告されています(Daniel Pink,2010)。

また、同書によると、2002年創業の企業ソフトウェア業界のベンチャー企業であったアトラシアンは、従業員の創造性を高めるため、プログラマーたちが、通常業務と無関係でも何か解決したい問題があれば一日中自発的に取り組んでも良いという日を設けたところ、この自律性の仕組みによりアトラシアンは、多くの新製品を生みですことに成功したことが報告されています。

自律的に仕事が出来るためにはどうしたら良いか?:
自分が真にやりたいことを仕事としてやるためには、そのための職場環境が整っていなければなりません。また、職場にとってもそのような環境を整えることが創造的な効率を挙げるために必要とされることなのです。この職場環境について、内発的動機付け理論を開発したエドワード・デシは、職員が自分で仕事のやり方などを決定できる自律性の内容には、4つの面があると考えました。

第1は、自分の勤務時間の内、少なくとも一定の割合で、自分が自由な発想でやりたい仕事をやる時間が与えられるということです。いくつかの創造的企業がこのような制度を導入し、成功を収めています。

第2に、自分の取り組むべき課題(Task)を自分で裁量できる自由度があるということです。例えば、スリーエム社はこの自由を導入して、ポスト・イットなどの独創的な商品の開発に成功しました。

第3の課題は、仕事の成果を、かかった時間で測らず、一定の創造的成果を上げたかどうかで測ることです。例えば、家電量販の大手のビッグバイはこの結果志向の職場環境を導入し、大きな成果を挙げました。

第4は、仕事のやり方についてマニュアルに従うのではなく、自分なりのやり方を認めることです。この方式は、幾つかのコールセンターで導入され、離職率を大きく減らすことに成功しています。

第5の工夫は、職場チームの編成に大幅な自由度を認めることです。良いチームメンバーに恵まれなければ、真に創造的なアイディアは実現できません。


文京区駒込・六義園, 10月 (Photo by M.Kusakabe)
やりたいことを「習熟する」機会がある: :

文京区駒込・六義園, 10月 (Photo by M.Kusakabe)
自分が真にやりたいことをやるということは、気の向いたまま、努力をしないで良いということではありません。むしろ、それと逆に、新しい創造的な仕事に、大変、大きな努力を払って「習熟(Mastery)」することが必要となります。ただ、内発的な動機付けを持った人にとっては、「習熟」が非常に容易になるのです。社会心理学者のチクセントミハイは、このような習熟の過程を厳密に測る手法を開発し、好きなことに没頭し、自分が取り組める最高難度に近い難易度の仕事をしているときに、人々はフロー(flow)という状態になり、習熟のスピードが大きく向上することを発見しました。このようなフローの理論は、創造性の習熟だけではなく、職場のメンタルヘルス向上に大きく役立つことは言うまでもありません。

生涯発達心理学でも、学齢期の発達課題は「勤勉」とそれに基づく「自信・信念」であるとしています。このような強みが学齢期に備わることにより、好きなことの習熟が加速されるのです。このように内発的動機付け理論は、勤勉を軽んじているわけではありません。

報酬ではなく、目的の達成が最大の課題となる: :
内発的動機付け理論を開発したエドワード・デシとリチャード・ライアンは、ロチェスター大学の卒業生をサンプルとして、卒業時の人生の抱負と2年後のその達成度を追跡しました。その結果、「金持ちになりたい」とか「世間から評価される人間になりたい」という外生的な目標を持っていた人は、その目的を達成できた人でも、満足度、自尊感などが増加しているわけではないことが明らかになりました。一方、学生時代に目的志向型の抱負を持っていた人で、その目的を達成しつつある人は、大学時代よりも大きな満足度と主観的幸福感を抱いていることが分かりました。

現代社会はますます、物質的価値が相対的に縮小し、精神的な達成感が大きな意味を持ってきており、自分の人生を自分で管理し、自分の能力を挙げたいという動機付けを持っている人が、満足感が大きいことが実証されたわけです。


文京区駒込・六義園, 10月 (Photo by M.Kusakabe)
次に、このような「内発的動機付け」や「デザイン思考」を企業活動にどのように組み込んでいくかについて考えます。

創造企業は、次のような特色があります。以下のページをご参照ください
第1講 企業の創造性を引き出すための総合戦略

第2講 「創造企業」でカバーする強みとリスク要因

第3講 「創造企業」があるとどのような企業改革が可能になるのですか? ?

第4講 「創造企業」はこれまでの経営戦略プログラムとどこが違うのか?

第5講 「創造企業」は企業の創造性の源泉を職員・職場環境・チームワークから分析


Photo by M.Kusakabe, Hampstead Heath,London